ざぼんの木は自分の子供と一緒。一つひとつ愛情たっぷり込めてあげれば、美味しく育ってくれるけんね。毎年楽しみにしているお客様からの“おいしい”の一言が何より嬉しか。

ざぼんを抱えると、笑みがこぼれる川上社長

 

 

贅沢なおやつだった、ざぼん漬

長崎の道の駅や空港などに行くと「ざぼん漬」と書かれたお土産菓子を見つけることが出来ます。見た目は黄色いゼリーみたいなものに砂糖をまぶしており、まるでフランス菓子「パート・ド・フリュイ」のよう。まだ若い実をそのまま輪切りにした青切りざぼん漬もあります。
食べてみると、弾力のあるゼリーのような食感で酸味はなく、甘さの中に苦みを感じる大人の味。香り豊かで癖になる味わいです。
ざぼん漬について調べてみると、唐の国から長崎に伝来した手法で、ざぼんの分厚い皮だけを蜜漬けにしたもの。昔、砂糖が貴重だった時代、贅沢なおやつとして親しまれており、風邪予防にもなるとして長崎の家庭では、お母さんが作ってくれるような思い出のお菓子でもあったのだそうです。

 

 

絶妙な食感とうまみを出す、匠の技。

ざぼん一筋40年、長崎県佐世保市で唯一ざぼん栽培から蜜漬けまで行う方がいると聞き、取材に向かいました。ハウステンボス近くでざぼん畑と直売所を運営している川上文旦堂さん。自然と共に育て収穫したざぼんを、目の前にある作業場ですぐに加工しています。「ざぼん漬はざぼんの皮を食べるけん、どんな栽培ばされたかわからん原料は使いたくなかとさね」と話してくれた川上社長。安心安全を大切に、一つひとつ丁寧に手作りをしています。

採りたてのざぼんはアクが強いため、カットしてすぐにボイルした後、冷水に浸します。十分に冷やした後、秘伝の蜜で煮ていくのですが、その時々の季節によって温度と時間を調整しないと食べた時のバランスが悪いのだそう。「ざぼん漬は、出来上がりの食感とざぼんが持つ苦みと甘さのバランスが重要。どのタイミングで釜から上げるかは長年の経験で培ったものやけん、簡単に説明するのは難しか」と長年の経験から織り成す匠の技が、この絶妙な食感と味を決めているのだと実感することができました。

 

スライスすると柑橘類なのに真っ白
 アクを取るためにボイルします
 秘伝の蜜で煮ます
 たっぷりの砂糖がまぶされます

 

 

緑茶とざぼん漬のシンプルな組み合わせ

長崎県では昔からお茶菓子として親しまれており、好きな大きさにカットして、そのまま緑茶と一緒に食べるのが一般的。年配の方が主に好んで食べ、長崎の家庭では小さい頃、祖父母の家に行ったら、お茶菓子として出してくれた懐かしい思い出のお菓子なのです。
 

青空とざぼん

 

 

長崎の果物“ざぼん”とは?

ざぼんは青果になるとサッカーボールほどの大きさにもなるミカン科の一種。果肉は果汁が少ないのですが、独特の甘みと苦みのバランスが良く風味豊かなのが特徴です。一つひとつの粒がしっかりしていて、とても食べ応えのある果物。今となれば大変貴重な果物なのですが、昔はどの家庭でも採れる身近なものでした。
ざぼんの木は、種をまいてから実がなるまで約10年。毎日、丹念に手入れをしなければならず手間がかかるため、ざぼん農家の数が年々減っています。「ざぼんの木は、自分の子供と一緒。一つひとつ愛情たっぷり込めてあげれば、美味しく育ってくれるけんね。毎年楽しみにしているお客様からの“おいしい”の一言が何より嬉しか。」と愛おしそうにざぼんの木を見つめながら話してくださる川上さん。今では、息子さんも手伝って伝統を継承しながら、より多くの人にざぼんの魅力を知ってもらうため、インターネットや県外イベントでも販売を行っています。




美味しいざぼん漬、さらにいまどきな食べ方も見つかりそうです

ざぼん漬はそのまま食べても美味しいのですが、青切りの方は香りが強いため、チョコレートやアイスクリームとの相性抜群。ジャムにしたり、フルーツケーキのような焼き菓子の中に入れると生地の水分を吸ってコンポートのような食感になり、また違った楽しみ方ができます。

 

 

川上文旦堂さんのHPはただ今作成中とのことです。今はこちらで買うことができます。
https://www.e-nagasaki.com/shops/kashi/zabon/61330701/

住所:長崎県佐世保市江上町1334

TEL:0956-58-3396

FAX:0956-58-3330

直売所あり。定休日は不定休。

詳細はお問い合わせください。

 

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