念願のフレッシュ カカオパルプ。一口食べると「とってもおいしい!」。どこかで味わったことのある味。なんだろう。あ!トロピカルフルーツの「ライチ」の味みたい!

ホノルルのスーパーマーケットの果物売り場に売られていたカカオポッド。地元産につけられる「LOCAL」というロゴ入り



チョコレートの原料、カカオ

チョコレートの原料がカカオであるということは皆さんご存知だと思います。それでは、カカオはどんな場所で栽培され、どのような色や形をしているか、そしてどんな味がするのか、ご存知ですか?今回まちおやつプロジェクトではカカオの事、そして珍しいハワイでのカカオ栽培について取り上げてみます。

カカオの主な原産国はコートジボワール、ガーナ、インドネシアです。ほとんどはカカオベルトと言われる赤道を中心にして南北20度のエリアで栽培されます。カカオの木は4.5m~10mほどの高さで、カカオポッドと呼ばれるカカオの実がなります。カカオポッドは10cm~30cmほどでラグビーボールのような形をしています。色は赤、黄、茶色など様々です。



カカオは幹生花(かんせいか)です。植物の幹に直接実が出来るのが面白いですね。


カカオポッドの中にはパルプという乳白色のヌルヌルとした房が多数あり、そのパルプひとつ一つに種が入っています。このパルプ、実は食べられるのです。私も今回はハワイで実際に味わってきましたので、味については後程、写真とともにご紹介しますね。

 

それではカカオからチョコレートになるまでの過程をご説明します。
パルプに包まれたカカオ豆はバナナの葉に包んで発酵させます。発酵させることでアロマ物質が作られるため、チョコレートにした時の香りを左右する非常に重要な工程です。
1週間ほど発酵させたカカオ豆の多くは乾燥後、袋詰めされてチョコレート工場に出荷されます。
チョコレート工場では分別・洗浄を行い、その後ロースターで焙煎されます。焙煎は発酵の工程で作られたチョコレートの香りや味わいを引き出すので、味が決まる大切な工程。
次にセパレーターという機器でカカオ豆を砕き、皮とカカオ豆を分別します。ここで砕かれ皮が取り除かれたものを「カカオニブ」と呼びます。カカオニブは健康面や美容に非常に良いと言われ、日本では最近「カカオニブ」が売られているチョコーレート店も見られるようになりました。




カカオニブ ポリポリとした食感で味は苦味を感じるが癖になるような深い味わい。


カカオニブにはココアバターという油分が多く含まれています。その為、グラインダーという機器ですり潰すと、ドロドロとした液状になります。これをカカオマスと呼びます。
次にカカオマスをミキサーに入れ、ミルク、砂糖、そしてさらにココアバター(カカオニブに含まれる油分)等を入れて混ぜ合わせます。
この後、さらに微粒化させ滑らかにした後、コンチェという機器で時間をかけて練り上げます。こうすると練り上げることによって柔らかくなるため、カカオの香りが立ちチョコレートの完成です。
実際に皆さんがチョコレート店で購入するチョコレートはこの後、ショコラティエの手でテンパリングという温度調整を行い形成されます。
カカオ豆がおいしいチョコレートになるまでにはこんなにもたくさんの工程があるのです。



世界で一番カカオを消費する国アメリカ合衆国産のカカオ

世界で一番カカオを消費している国は二位と圧倒的な大差でアメリカ合衆国です。そのアメリカではハワイでのみカカオの栽培もしています。その量は世界中のカカオの生産量の0.01%にも満たないと言われています。非常に貴重で珍しいカカオなのです。
ですからハワイのお土産の定番である「マカダミアナッツチョコレート」のほとんどはハワイ産のカカオは使われていません。また、ハワイのチョコレートショップや菓子店ですら「ハワイ産カカオ」を使ったお菓子は珍しいのです。
ハワイにカカオの木が植えられたのは10世紀ごろだと言われています。そしてカカオを商業的に栽培するようになったのは、ごく最近の事です。
皆さん、カカオ=暑い国で栽培というイメージをお持ちではないですか?だからハワイの気候もそれに適しているのではないかと思いませんか?
カカオは熱帯植物なので熱帯地域(緯度0~20度の暑い地域)での栽培が適しています。ハワイはというと、暑い国ではありますが亜熱帯地域に属されます(緯度20~30度)。そのため、カカオ栽培に最適!というわけではありません。
それも理由の一つなのか、ハワイでのカカオ栽培は非常に小規模です。



ハワイ オアフ島のカカオ農園
中央の木の下のほうにオレンジ色のカカオポッドが見えます。



念願のフレッシュカカオ!

ハワイのローカルフードを多く取りそろえているスーパーマーケットの果物売り場に、生のカカオポッドが売っていました。チョコレートが大好きな私は以前「カカオパルプは食べられる」と聞いてから、カカオパルプを食べるのが夢だったのです。
店員さんに食べ方を聞いて、早速ホテルに戻って食べてみました。
カカオの皮はとっても硬いので包丁で切れ目を入れて手で開きます。中には乳白色の房「カカオパルプ」がぎっしり詰まっていました。
わくわくしながら食べてみると「とってもおいしい!」フルーツのような甘みが広がります。食べるというより口ので舐めるといったほうがしっくりきます。(味はなんだか懐かしい味で、どこかで味わったことがあるけどいくら考えてもわかりませんでした。日本に戻ってきてから「これだ!」と思ったのは乳酸菌の飲み物を飲んだ時です。私が感じたカカオパルプは「ライチのような乳酸菌飲料のような味!」でした。
また、チョコレートの香りがするのかと思い、種も食べてみました。けれども全くチョコレートの香りはありませんでした。そしてカカオニブのような苦みとコクのある味もしません。やはり、発酵・焙煎という工程がチョコレートの香りを作り出すのだと感じました。






チョコレートももちろん購入

もちろんチョコレートも買いました。
ハワイ産カカオはフルーティーな酸味がすっきりと広がるチョコレートになっていました。トロピカルフルーツを想像させるような味です。
貴重なハワイ産のカカオで作ったおいしいチョコレートはドライフルーツなどと合いそうです。






カカオのソースでシーフード料理

夜ご飯を食べたシーフード料理のレストランではカカオとブラックペッパーのソースがありました。
そのお店は地元産の食材を多く使っていたので店員さんに伺うと、やはりカカオもハワイ産だとの事で迷う事なくオーダーしました。
カカオのソースはブラックペッパーのスパイシーなパンチのある味にカカオが食感と味の深みをプラスしていました。
シーフードはもちろん、お肉やグリル野菜にも合いそうです。買って帰ることが出来ればいいのに!






チョコレートの今後

ハワイでもカカオ栽培が少しずつ広がっていることに加え、実は日本でも小笠原でカカオ栽培に取り組んでいるようです。このように、今後は他にも、今までカカオ栽培を行っていなかった土地での栽培も始まるかもしれません。
そうなるとそれぞれの土地のカカオによる味の違いが増え、お好みのチョコレートを探すのもますます楽しくなりそうですね。
おいしくて、美容にも健康にも良いと注目のチョコレート、今後も目が離せません。



(取材・文 まちおやつプロジェクトメンバー)

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