「よりおいしい落花生を作るために試行錯誤して土の分析をしています。こうしないとこれからの千葉県の落花生を担う若い農家さん達に教えてあげることもできませんからね」

脱穀作業に専念するスタッフ

 

千葉県には様々な農作物があります。今回注目したのは落花生。千葉県で長年、落花生を生産、加工そして小売も行っている清本園の代表取締役社長 本吉 隆(もとよし たかし)さんを訪問しました。千葉県は落花生の生産量日本一を誇ります。今回は本吉さんに教えていただいた落花生の栽培から加工、そして落花生を使って作ったおいしいお菓子を2回にわたってじっくりご紹介します。



おいしい落花生を作るために     

千葉県には全国で唯一、落花生の育種を手がける農林総合研究センター落花生研究室があります。千葉県産の落花生の主要品種はこの研究室で品種改良や試験栽培を行い生まれてきました。千葉県の落花生農家は千葉県で穫れる落花生のおいしさは世界一だと自信をもって栽培しています。落花生は連作(同じ作物を同じ耕地に毎年続けて栽培すること)ができない作物で、同じ土地で作り続けるとどんどん収穫量が減ってしまいます。更に土の中の菌が増えて病気にもかかりやすく味の質も悪くなってしまうそうです。これを連作障害と呼びます。連作障害を起こさないために本吉さんはどのような工夫をしているのでしょうか。



冬の間は畑を耕し翌年に備えます

10月頃に収穫が終わったら、土に緑肥堆肥といって実がならないように品種改良された燕麦(えんばく)の種をまき、土を被せて発芽させるそうです。「2月か3月位に苗の伸び具合をみて天地返し(てんちがえし)といって耕地の表層と深層を入れ替える作業を行います。そうすると根っこが上を向いた状態になるのでそのまま置いて根っこを乾燥させるんです」乾燥したらかき混ぜて、根を砕いて土の中に混ぜ込み、しっかりと土に返すことで連作障害を減少させることができるのだそうです。本吉さんの畑では化学肥料は使わないため、緑肥堆肥だけではやはり限界が来てしまいます。そうなると畑を3年以上休ませるとのこと。「土の分析は大切なんです。こうしていかないとこれからの千葉県の落花生を担う若い農家さん達に教えてあげることも出来ませんからね」と言っていました。



燕麦の苗。この位まで成長したら天地返しをします。



種まきから収穫まで

5月中旬から6月中旬までの間に種まきをします。「種まきは天候を予想して時期を決めます。種をまいてからすぐに一度ザーッと雨が降って畑が潤わないといけないんです。そうすると発芽がよくなります。雨が降らないと土が乾燥して、風で舞ってしまって種が表面に出てきちゃうんですね」と本吉さん。長年の勘と経験で天候を予測するとは驚きです。その後はこまめに草取りをしながら成長を見守ります。手間がかかっても安全で安心できる落花生を作るのが本吉さんのこだわりです。「落花生の収穫時期は時間や日数では測れないので葉の大きさを見て決めます。収穫時の落花生の外皮はとってもきれいな桃色をしているんですよ」と本吉さん。そして大変なのはここからです。乾燥や脱穀、焙煎と私たちが食べるおいしい落花生になるまでにはまだまだ手間がかかります。



天候に大きく左右される収穫、乾燥

収穫された落花生は枝ごと畑の上に並べて放置します。「収穫したては水分をたっぷり含んでいるので乾燥をさせます。自然乾燥を省いて野積み(積み上げて乾燥させること)するとカビが生えてしまいます。土の上である程度乾燥させたら次は『ぼっち(落花生を枝がついた状態のまま直径130cm高さ180cmほどに積み上げたもの)』という状態に積み上げます」と本吉さん。この作業はとても難しく、ぼっちを作れる農家さんは少なくなってきているそうです。しっかり積まれたぼっちは風が吹いても雨が降っても、台風が来ても崩れないんだとか。ぼっちのてっぺんには藁で編んだ笠が被せてありました。まるで、日本昔ばなしの笠地蔵の笠のようです。「昔はみんなこれを被せていたんですよ。今ではこの辺りではうちだけかもしれません」この笠、非常に理にかなった物なのです。通気性が良いので蒸れないし、カビが生えません。そして雨もしのげるそうです。このような昔からの人々の知恵をこれからの農業を担う若い世代にも伝えて行き、絶やしてはいけないのだと感じました。



昔はたくさんの落花生農家で見ることができた「ぼっち」がいくつも積んである風景。今では貴重な風景です。




焙煎したての落花生を加工します

野積みで乾燥した落花生は水分が抜けてひと回り小さくなります。そうなるといよいよ脱穀です。1日に脱穀できるのはぼっち20個ほどです。数日かけて脱穀した落花生は選別され焙煎することで、みなさんがよく口にするおいしい落花生になります。本吉さんは落花生の加工も手がけます。加工用のむき身の落花生を焙煎する機械は千葉県には1台しかないという温風タイプです。ガスよりも遠赤外線効果があり、香ばしく良い焙煎状態に仕上がります。その香ばしい落花生を使用してペーストや、落花生のマドレーヌ、落花生のどら焼きを作ります。おいしくて安全安心な製法の落花生のお菓子はきっと格別ですね。このお菓子については来週の「おやつマップ」でご紹介します。お楽しみに。


続きの記事はこちら→清本園の落花生2


(取材・文 まちおやつプロジェクトメンバー)

 

店名 清本園
住所 千葉県千葉市稲毛区天台4-3-12
最寄駅 千葉都市モノレール22号線 穴川駅
電話 043-255-1431
FAX 043-287-6400
営業時間 平日・土曜日 9時~19時、日曜日 9時~17時
駐車場 あり 2台
イートイン あり 4席
クレジットカード
お取り寄せ HPよりお取り寄せください
ホームページ http://kiyomotoen.com/user_data/rakkasei.php

 

 

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