ヨーロッパ、アジアの東西文化の交差点イスタンブールは、今どきのヘルシーなおやつや、世界の美味しい食べ物のルーツ、紀元前に遡るお菓子など、多様な食が溢れています。

トルコの銘菓 Baklava 
とっても甘いパイのお菓子は、温かく濃いトルココーヒーと頂くのがお勧めです。




イスタンブール。ヨーロッパより地理的には日本から近いにもかかわらず、とても遠い存在のアジアの最西端に出かけてきました。新市街はヨーロッパのような雰囲気ですが、旧市街に入るとモスクやバザールなどイスラム文化の古い建物が多く、エキゾチックな雰囲気に一変します。このように西洋、東洋の文化が入りまじり、東西文化の交差点とも呼ばれるイスタンブール。バザールには日本でも馴染みのある、世界最大級の生産量を誇るドライフルーツやナッツ類、レーズン、アプリコット、イチジク、クルミ、ピスタチオなどが所狭しと、たくさん積まれています。

食文化においては、トルコ料理は世界三大料理(他は中華料理とフランス料理)の一つとされ、なぜトルコ料理?と気になりますが、長い歴史を持つ国かつ豊富な自然に恵まれているため、食文化も充実しています。ケバブが有名な肉料理、地中海に面していて魚料理も有名、野菜は世界7番目の農業国ゆえの豊富さで、イスラム圏なのに飲酒も許可されており、ビールやワインも有名です。最近では中東料理に括られるひよこ豆料理のフムスなども有名です。


さて、そんなイスタンブールのお菓子は歴史ある数々の銘菓があり、中でもこのバクラヴァが一番人気です。

発祥は定かではないものの紀元前8世紀くらいのアッシリア人の時代まで遡ります。当時のアッシリア人は、現在のシリアの首都ダマスカスからトルコ南東部のガジアンテペまで統治していて、そこで食べられていたものが現在のバクラヴァの元祖となっているそうです。

創業1820年の有名な老舗バクラヴァの専門店Karakoy Gulluoglu(カラキョイ・ギュッルリュオール)を訊ねました。発祥のガジアンテペのギュルル家(Gullu)がイスタンブールに創業したお店です。雰囲気のあるゴージャスな建物で、地元民から観光客まで老若男女大勢の人で溢れています。






バクラヴァは、パータ・フィロと呼ばれる非常に薄いパイ生地のようなものの間にたっぷりのバターとトルコのナッツ類がサンドされている、とてもジューシーな甘いパイ菓子です。
こんな凝ったお菓子なので、紀元前8世紀はきっと特別なお菓子だったのだろうなと思います。
ただ、材料にはトルコの名産ピスタチオやナッツ類、バターもトルコ南東部のウルファ(Urfa)地方のヤギミルクなどから作られたものが多く使われるそうです。

トルコという長い歴史のある国で、豊富な地産食材で作られたお菓子が今でも世界の人に楽しまれているのは良いですね。日本でも最も起源の古いお菓子はなんだろうと気になってきました。

お店の中では、大きめサイズのバクラヴァ、ひと口サイズのバクラヴァとショーケースの中は一面バクラヴァが並びます。お店のスペシャルドリンクが甘いレモンジュースだったので、甘いお菓子と甘いドリンクで頂きましたが、これは濃いトルココーヒーと頂くのが絶対美味しい!と私は反省しています。

今回イスタンブールの最も歴史のある店、かつ一番人気のお店を訪問しましたが、銘菓ゆえたくさんのお店で作られています。
トルコの全国紙ヒュリエット(Hurriyet)が紹介するイスタンブールの10軒は観光にも使えそうな情報ですのでご参考まで。
http://www.hurriyet.com.tr/milli-tatlimiz-baklavanin-istanbuldaki-en-iyi-10-adresi-40299015

余談ですが、欧州の菓子店のいいところは男性客が多い!ことですね。甘いものは女性だけのものではありません。大抵の国で男性客がたくさんいますし、フランスの一大チョコレートイベントでも、地元の男性客がチョコレートを丁寧に味わっている光景が見られ、日本以上に活気が溢れます。


トルコのおいしい食についてもう少し触れましょう。

ーーー次の3枚の写真の左端はスイーツです。一時日本で話題になったのびるアイスは、ドンドルマ(dondurma)と呼ばれます。
これは気温の暑い時期にアイスが解けて垂れるのを防ぐために、粘度を上げますが、ラン科の植物からつくられるサーレップという増粘剤が使用されます。あまりに粘りが強い為に飲み物がないとアイスが食べられないようで、暑い時にアイスを食べる日本と目的は違うのかしら?と疑問です。でもとても美味しかったです!

ーーー中央の写真は、ドルマと呼ばれるトルコ料理等に使用されるナスの皮です。中身がくりぬかれ、ドライナスみたいにして売られています。このナスの皮に肉と米を加えて入れ、トマトソースで煮込み、最後にヨーグルトをかけて食べます。日本でお馴染みのピーマンの肉詰めのナス版のようなイメージです。見た目が驚きで面白く思わず撮影したのですが、買って家で試してみたかった!と後悔しています。

ーーー右の写真は、イタリア料理ともよく似たトマトやナスなど野菜をたっぷりと使った料理とヨーグルトが定番のメゼ(Meze)と呼ばれる前菜。どのお店に行っても「これだけでも充分!」と思ってしまうほど小皿の前菜が豊富で、メニュー選びが楽しいです。



今回はイスタンブールのスイーツと食をご紹介しましたが、これほどルーツが昔にまでさかのぼる国も初めてです。

食はいつの時代でも人間の生活にとってとても大切なもの。歴史と共に体験を分かち合えるよう、守り続けたり、語り続けることが大切だなと改めて実感しました。

(取材・文 まちおやつプロジェクトメンバー)

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