「50年以上無農薬で栽培してきたフルーツ園を引き継いで、ローカル食材を使っておしゃれに、グローバル品質で!と作ったのがオースミ・レーヌ・マンダリンです」

あえて丘の中腹を造成して作ったデザートハウス。とにかく、この景色を楽しんでほしかったから。左の奥に小さく見えているのが、開聞岳です。



受け継いだのは、「地域の宝物」の果樹園とこの風景

九州最南端の大隅半島。その真ん中あたりにある、鹿屋市(かのやし)に位置するのが、「南風の丘」です。デザートの「南風農菓舎」ブランドは、GINZA SIX(ギンザ シックス)へ出店するにあたって整えたそうです。
「南風の丘」は、敷地の南にある、50年以上無農薬栽培を続けてきたフルーツ園が始まりでした。郷原社長は大隅半島のご出身で、この地で農業を主体にした観光事業をやりたいという夢を持っていました。20年ほどかけて、現在のフルーツ園・唐芋畑(150種類栽培)を造成してきました。

15年ほど前のことです。地元・浜田町に住む松園義則さん(97、当時は80歳代)が「体がきつくなってきたので、フルーツ園を引き継いでほしい」と頼んでこられました。松園さんは、先進的な果樹栽培に熱心で、当時まだ珍しかったサワーポメロ(ぼんたん)や日向夏などの柑橘類、キウイフルーツやビワ、アボカドなどを育てていました。
郷原社長は、松園さんが無農薬にこだわって作ってきた果樹園を「地域の宝物」として引き継ぐことを決意します。また、珍しいストロベリーグァバなどの新しい果物に挑戦したり、プレゼントをされたアーモンドの木を育てたりして、フルーツ園はどんどん充実してきました。松園さんは、今でも折に触れてご自分の手で植えられたボンタンやサワーポメロの様子を見に来られ、スタッフに指導してくださっているそうです。




大隅半島の地元食材とMOF(フランスの国​家最優秀職人章)ヴェスマエル氏が出会ってできたデザートとは

「地域の宝」の、無農薬栽培した果実や唐芋の素材を生かすデザートハウスなどを計画しているところへ、GINZA SIXへの出店の話が来ました。
郷原社長以下、スタッフの皆さんが考えたのは、「自分たちがデザートを作るなら、ローカル食材を使っておしゃれに! グローバル品質でつくりたい!」というコンセプト。そこで、MOF(フランスの国家最優秀職人章)ダヴィッド・ヴェスマエル氏にデザートのプロデュースを依頼しました。

というのも、ヴェスマエル氏は、リキュールの「コアントロー」のテイストインストラクターを務める実力派。コアントローもマンダリン系なので、良いアドバイスをいただけるのでは? と打診し、快諾を得たそうです。
フランスに何度も食材を送ったり、ヴェスマエル氏に来日していただいたりと、綿密なやり取りの末にでき上がったのが『オースミ・レーヌ・マンダリン』です。ヴェスマエル氏は、「マンダリンは、おいしい時期にシロップを低温で加工し、香りを残して作るのがキーポイント」と話されており、そういった製法のこだわりを基にシロップが主役のデザートを完成させました。


MOF(フランスの国家最優秀職人章)ヴェスマエル氏と南風農菓舎のキッチン



素材にもこだわりがあり、フルーツ園で栽培した紅甘夏とサワーポメロ、「平家伝説の秘境」といわれる、辺塚産のダイダイの3種の柑橘を使っています。そのまま食べてもおいしい紅甘夏は果肉と果皮を、サワーポメロは果肉とほろ苦い白いわた、酸味が印象的な辺塚ダイダイは果汁をそれぞれ活かしたレシピです。

辺塚ダイダイとの出会いも、郷原社長の評判を聞いた辺塚の方から、「辺塚ダイダイを活かしてくれませんか?」という依頼を受けたことがきっかけでした。このダイダイ、辺塚にしかない希少な柑橘で、搾ると柚子のような爽やかな香りが立ち上がります。


こうしてできた『オースミ・レーヌ・マンダリン』、別名を“香りの焼き菓子”と呼ぶそうです。その味わいは、まさにフレンチのデザート。一切れのケーキの中に、香り立つ爽やかな酸味と焼き菓子の風味、柑橘のほろ苦さまで相まって、じっくりと味わってほしい奥深いおいしさです。そして、惜しみなく使われたシロップのぜいたくさ! 『オースミ・レーヌ』は、大隅半島の王妃を意味しています。他では味わえない、まさに「大隅レーヌ(王妃)」の風格です。

広報担当の黒木さんは「シロップの風味を大切にするために、冷凍でお届けします。暑い季節は、半解凍くらいで召し上がっても、また違った味わいがお楽しみいただけます」とおススメの食べ方をご教示くださいました。


『オースミ・レーヌ・マンダリン』  1本1,450円(税込み)
3種類の柑橘が爽やかなハーモニーと奥深い味わいを醸し出す、“フレンチのデザート”と言える逸品です。
ハイビスカスと木苺、バラの香りでまとめた『オースミ・レーヌ・ローゼル』も同価格です。




四季折々の大隅半島の魅力を楽しみにいらしてほしいから

「南風農菓舎」では、メインの食材はほとんど自家農園栽培です。辺塚ダイダイも大隅半島産ですから、地元ならではの多種の柑橘を使っていきたいと計画しています。また、唐芋を150種類栽培しているので、それぞれの芋の特性を活かしてデザートを作りたいと考えているそうです。
郷原社長の夢は、「南風の丘」が“農園のディズニーランド”になること。「秋は芋掘り、冬はミカン狩り、春は季節のハーブ摘みなど、収穫する楽しさも味わって、大隅半島の自然を楽しんでほしい」と願っているとか。皆様も、大隅半島の季節の息吹を感じに、ぜひ遊びに来てください。


唐芋畑からは、遠く開聞岳が海を越えて望める絶景が。ツーリングやドライブの休憩に立ち寄る撮影スポットにもなっています。


(取材・文 大倉 愛子)

 

店名 南風農菓舎・デザートハウス
住所 鹿児島県鹿屋市浜田町1349-1(南風の丘1-1)
電話 0994-47-3118
営業時間 1Fカフェ:11:00~19:00
2Fレストラン:11:30~15:00(14:00オーダーストップ)
定休日 不定休
駐車場 あり 30台
イートイン あり 25席
クレジットカード
お取り寄せ 一部可
お取り寄せ方法 ホームページから
ホームページ

http://www.minami-kaze.com/​

備考 ※GINZA SIX(ギンザ シックス)内「南風農菓舎・デザートハウス」はB2F、営業時間は10:30 - 20:30 


Submit to FacebookSubmit to Twitter