「極寒の中、みんなで協力してすべての氷を氷室に移動できたときの喜びは言葉にできない。みんな地元の大切な伝統を守るため真剣な顔なんだ、すごいことだと思う。」

四代目徳次郎 山本 雄一郎(やまもと ゆういちろう)さん



栃木県日光市ではとびっきり美味しいかき氷のお店があります。今日はそのかき氷をいただきながら「四代目徳次郎」 山本 雄一郎(やまもと ゆういちろう)さんにお話しを伺いました。




歴史的民族文化の「氷室」を守ろう!

美味しいかき氷のお話の前に、まずはかき氷の美味しさの理由である「氷」のお話です。
皆さん、「氷室」とは何かご存じですか?まずは氷室についてご説明します。

日光にはヤマメやイワナが棲む綺麗な川があります。その川の岩肌から湧き出る清らかな水で「日光の天然氷」が作られます。冬の厳しい寒さの中、採氷地で造られたこの氷を夏まで保管しておく場所が「氷室」です。昭和の時代には数多くの「氷室」がありましたが、現在では日本に5か所だけで、そのうち3か所が日光市にあり、そのひとつが「四代目徳次郎」の「氷室」です。

「きっかけは先代が高齢と後継者不足、氷の売れ行きが悪いということを理由に『氷室』を閉めると言ったことなんだ、地元の伝統をなくしてしまってはいけないと思った」と山本さん。そして平成18年に山本さんが「氷室」を引き継ぎ「四代目徳次郎」のプロジェクトが始まりました。

平成19年、先代のアドバイスのもと、地元の有志と共に昔ながらのやり方で試験的に氷を作り、平成20年には商品になる氷の製造に成功しました。


光の当たらない場所にある氷室(奥)と採氷池(手前)   2016年に撮影したもの



天然氷が出来上がるまでは苦労の連続

真冬、極寒の中で氷造りは行われます。一日中、日の当たらない場所にある採氷池に天然水を溜め、約2週間かけてゆっくり凍らせます。表面から氷になり徐々に厚くなることで不純物が底に沈みます。理想的な氷は厚み15㎝です。氷に乗れるようになるまでは表面にちりやほこりが積もらないための作業や、完成した氷を氷室まで運ぶためのラインの製作を行います。また昼夜関係なく、雪が降れば除雪を行います。努力や苦労だけではなく天候にも大きく左右される氷作り、山本さんは「厳しく冷え込んだ日には『今日はいい天気だったね』と氷に話しかけるんだ、氷はなんにも言わないけどね」と笑っていました。満足いく氷を作るため、一時たりとも気が抜けない日々なのです。






氷の切り出しは一大イベント

氷が一番良い状態に仕上がった日に氷の切り出しを行います。毎年仲間が有志であつまり、山本さんを手伝います。「極寒の中、みんなで協力してすべての氷を氷室に移動できたときの喜びは言葉にできない。みんなの大切な伝統を守るため真剣な顔なんだ、すごいことだと思う」と山本さん。こうして透明で硬い氷が出来上がります。



「四代目徳次郎」のかき氷

「かき氷を一番おいしく感じる気温は28℃以上。」と山本さんが教えてくれました。私が取材に伺ったのは6月で少し寒いくらいの日でした。そんな日でもあまりの美味しさにぺろりと2杯もいただいてしまった絶品かき氷をご紹介します。キンキンに冷やした器にふわっふわの真っ白い氷がたっぷり盛られます。そこには自家製のシロップとミルクがかかっています。シロップは果物本来の鮮やかな色味で、さらに期待が膨らみます。
口に入れた瞬間は綿よりもふわふわ、そして一瞬でスーッと消えてなくなります。残るのは甘さ控えめなシロップの甘酸っぱい風味とミルクの甘み、そして消えてしまった氷の冷たさです。スプーンが止まらない驚きの美味しさのかき氷でした。

「四代目徳次郎」のかき氷は、栃木県日光市の「日光霧降高原 チロリン村」に併設される「カフェ・アウル」で頂けます。



メニューボードには「栃木県産『とちおとめ』使用 ピュレ&粒シロップのW使い!!  迷ったらコレ」とある「イチゴミルク」950円(税込み)


メニューボードには「栃木県産『ブルーベリー』使用 完熟大粒たくさん入っています」とある「ブルーベリーミルク」950円(税込み)
そのほかにも「はちみつレモン」、「抹茶あずき」、「チョコレートシロップ」もあり、それぞれにミルクかけタイプもあります。




飛行機に乗ってイタリアに旅立った「四代目徳次郎」の氷

10年前に始まった氷作りは日光から東京に伝わり、日本全国に伝わり、ついにはイタリア・ミラノへと海を渡って伝わりました。
ミシュランの3つ星レストランでお店を貸し切ってお披露目をしたのです。

「『四代目徳次郎』の氷を江戸に伝え、世界に伝えるという夢がかなった」という山本さんにはもっと大きな目標もあるようです。

「四代目徳次郎」の氷は、これからも古き良き伝統を守り続けてくれることでしょう!



昔のかき氷機


昔の冷蔵庫 氷を入れて庫内を冷やします


(取材・文 まちおやつプロジェクトメンバー)



■四代目徳次郎
HP:http://tokujiro-4th.com/


■四代目徳次郎のかき氷が食べられるお店

店名:カフェ・アウル

住所:栃木県日光市霧降高原1535-4

最寄駅: 東武日光駅 (霧降高原行きバス約20分)

営業時間:9:00~16:00

定休日:火曜日

駐車場:有50台

イートイン:有 テラス50席 室内 18席

クレジットカード:不可

お取り寄せ:不可

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