地元が誇る名水百選にも選ばれた水に、栄養価の高い押し麦。文化を守りつつ新しさを目指す和菓子屋さん「おおさかや 蔵はち」の地産地消の和菓子作りとは。




愛媛県・西条市特産の「はだか麦」。歯ごたえがあり、素朴な味わいのシナモンが香る麦クッキーに。

愛媛県は西条市にある創業66年の和菓子屋さん「おおさかや 蔵はち」。昭和25年創業の老舗です。三代目の山地良太さんにお話を伺いました。
「和菓子は素材の味がダイレクトに表れるものですので、素材には特にこだわっています。和菓子の肝となる小豆は北海道産、米は地元・西条産のもち米を使用しています」
一つ一つのお菓子は素朴だけれど、“顔が見える”素材選びをしているという山地さん。なかでも地元の特産品を使うことにもこだわっていて、それゆえお客さんにも安心して食べていただけると思うと続けます。
そんな背景から生まれたのが、「はだかの王様」というクッキー。愛媛県西条市特産の「はだか麦」を生地に練り込んでいます。
「“はだか麦”は押し麦の一種なのですが、食物繊維がとても豊富で白米の約20倍、さつまいもの4倍ほど。愛媛県は、このはだか麦の生産が日本一なのです」
一般的には麦みそや麦茶などに加工されることが多いというはだか麦。「おおさかや 蔵はち」では、このはだか麦をお菓子作りに使用しています。
「地元の精麦会社さんとお付き合いがあり、おいしくて栄養価の高い押し麦を、何か和菓子に使えないだろうかと考えたのです。押し麦で和菓子というと、麦焦がしまんじゅうがあります。まんじゅうもいいけれど、お子さんにも喜んでもらえて日持ちもするものと思い、焼き菓子を考案しました」

 

はだかの王様 



新商品「いよらか」は、はだかの王様×伊予柑のバタークリーム。「地元ならではの食材を組み合わせました」

ザクザクとした食感とほんのりと香るシナモンに、焼いた押し麦の香ばしさが加わります。甘さ控えめで上品な味わい。日本茶や紅茶・コーヒーなど、どんなものとも相性がよさそうです。
「押し麦はとても硬いので水でふやかして砕いてから使うのですが、その時に、すりつぶしすぎないように気を付けています。押し麦らしさを残しつつ、歯に当たって邪魔にならないよう、そのぎりぎりのラインを狙っています」
この「はだかの王様」が生まれたのは5年ほど前。そして2016年11月、「はだかの王様」を用いたお菓子「いよらか」が誕生しました。
「はだかの王様の生地をアレンジしてバタークリームをサンドしたものです。はだか麦のほかにも地元ならではのものを使いたいと考えまして、愛媛といえば、やはり柑橘類がおいしいので、愛媛県産の伊予柑を合わせたクリームに仕上げました。ほんのりとした酸味と甘みが、押し麦入りの香ばしいクッキーに合う自信作です」
ザクッとした生地にバタークリームが絶妙な組み合わせ。原型の「はだかの王様」とはまた違った、ちょっぴり特別感のあるお菓子です。

 

いよらか 



山々に磨かれた名水「うちぬき水」を、すべてのお菓子作りに使用。名水ならではのお菓子「くずもち」も。

「地元の特産品……というとちょっと違うかもしれませんけれど、このあたりは“水”が自慢なのです」と山地さん。その名も「うちぬき水」。日本名水百選にも選ばれた石鎚山の伏流水で、西条市内のあちらこちらに、この「うちぬき水」の湧き出る所があるそうです。西条市の水道自体も「うちぬき水」が使用されていて、蛇口をひねればミネラルウォーターが出るという、なんとも贅沢な土地なのだそうです。
「山で自然に濾過された、混ざり物のない水です。うちの工場も水はすべて「うちぬき水」ですので、あんこを炊くのも、お米を炊くのも、すべて同じ水を使っています。水がおいしいと、やはり何をするにもいいですね。特に「うちぬき水」は軟水ですので、和菓子にはもってこいなのです」
なかでも「名水くずもち」は、おいしい水ならではのお菓子。クセがなく、澄んだ味わいとみずみずしい食感は、「うちぬき水」ならではのおいしさです。

 

名水くずもち



和菓子は日本が誇る「文化」の一つ。歴史や伝統を守りながらも、自分たちらしい新しさを伝えていきたい。

2年前にリニューアルした「おおさかや 蔵はち」。モダンな建物は、これが和菓子屋さん?と思うような、おしゃれな外観です。「かふぇ蔵はち」では、和菓子や甘味をいただくことができます。
「パフェやプリンなどの洋菓子も取り揃えています。先代は餅屋として開業しました。昔からの文化を残しつつ、新しいものも取り入れたいですね。というのも、和菓子屋さんは担い手の減少から数が減っているのです。和菓子は日本が誇る「文化」の一つです。その文化は簡単に作り出せるものではないですから、歴史や技術を守っていかなければいけないと思います。守って続けていきながらも、自分なりの色を付けられれば、そう思っています」
これからも、おいしくて、健康的な和菓子を作り続けたいと話す山地さん。地元ならではの素材を使い、伝統の中にも新しさを感じさせるお菓子作りに一層期待できそうです。

 

店名 おおさかや 蔵はち
住所 愛媛県西条市神拝甲145-1
電話 0897-53-0098
最寄駅 JR予讃線 伊予西条駅 (駅から徒歩7分)
目印 西条市産業情報支援センター前
営業時間 9:30~19:00(日曜日は~18:30)
定休日 不定休
駐車場 あり 14台
イートイン あり 25席
クレジットカード
お取り寄せ 一部可能
お取り寄せ方法 HPの問い合わせフォームから
ホームページ、ブログ等 http://www.kurahachi.co.jp

 

Submit to FacebookSubmit to Twitter