スタートは、なんとお寿司屋さんから。バターと卵をたっぷり使った看板商品「母恵夢」は、その名のとおり、お母さんのように優しい、懐かしい味でした。
お寿司屋さんからスタートした愛媛県のお菓子メーカー、母恵夢。
“母恵夢”と書いて、“ポエム”と読みます。母恵夢本舗は愛媛県にあるお菓子メーカーで、四国の人はお菓子といえば母恵夢というほど、地元ではポピュラーなお菓子屋さんです。今回、お話を伺ったのは、製造を担当している菅泰雄さん。母恵夢本舗の創業や看板商品などについて語ってくれました。
「母恵夢本舗は、戦前は“権太寿司”として営業しておりました。その頃、料理のデザートとして栗饅頭を作ったのがお菓子作りの最初と聞いております」。
もともとはお寿司屋さんからという話には驚きです。また、母恵夢本舗といえば、会社名と同じ名前の看板商品があります。こちらは、どんな誕生秘話があるのでしょうか。
「戦後、すべてを失ってしまった当時の社長(現社長の祖父)が考案した“バター万十”が基になっております。クッキー生地にバターと卵黄をたっぷり入れた黄身餡を組み合わせたものですが、その当時は西洋の雰囲気のあるお菓子が大変珍しく、贅沢で特別なお菓子として、あっという間に注目を集めたそうです」。
お店の看板商品「母恵夢」 5個入り572円(税込) ほかに、9個、12個、18個、24個の箱詰めもある。
愛媛土産といえば、これ。「バター万十」から「母恵夢」へと。
「昭和20年代の後半、当時の社長の友人だった東京の洋画家の先生が今治にお寄りになった際、当時のバター万十を召し上がって『これはポエムだ』とおっしゃったそうです。その後、ポエムの音に『母・恵・夢』の字を当てはめ「母恵夢」へと改名しました」と菅さん。
和菓子と洋菓子を組み合わせた「母恵夢」。バターが香るやさしい味わいは、お母さんが子どもに愛情込めて作るようなお菓子を連想させます。
「“母恵夢”は円形ですが、ひとまわり小さな四角い“ベビー母恵夢”もあり、こちらは、お子さんやご年配の方でも食べやすい大きさとご好評いただいています」
お土産として配りやすいサイズ感に人気があるとのこと。「母恵夢」も「ベビー母恵夢」も素朴だけれど、何度食べてもおいしい、また食べたくなる懐かしい味。「愛媛土産といえば間違いなくこれ」という言葉にもうなずけます。
食べやすいサイズの四角い「ベビー母恵夢」 6個袋詰め486円(税込)ほかに、10個、15個、30個の箱詰も。
二代、三代に渡って愛されるお母さんのような温かい、まちのお菓子屋さん。
看板商品の「母恵夢」のほか、瀬戸内のしまなみをイメージしたという「うずしおパイ」、今治に伝わる数々の狸伝説から生まれたという「他抜きもなか」など、ユニークな商品も取り揃える母恵夢本舗。
(ちなみに、他抜きもなかは、“他を抜く”という名前から受験シーズンの縁起物としても人気だそう)
お菓子はどれも工場で作られますが、「母恵夢」はもちろん、ほかのお菓子に関しても気温や湿度に合わせて微調整が必要で、機械だけではなく、一つ一つを、人の手によって作られています。
「おかげさまで二代、三代に渡って楽しんでいただいています」。そう言って笑う菅さん。世代を超えて地元に愛されるお菓子屋さん。母恵夢本舗は、その名のとおり、お母さんのように温かく、優しい、大きな愛で包んでくれるような存在でした。
うずしおパイ 5枚486円(税込)
他抜きもなか 10個756円(税込)
店名 | 母恵夢本舗 本店 |
住所 | 愛媛県今治市本町2-1-29 |
電話・FAX | 0898-32-5660 / 0898‐32‐5662 |
最寄駅 | JR今治駅 |
目印 | 伊予銀行 |
営業時間 | 9:00~20:00 |
定休日 | 無休(元日のみ休業) |
駐車場 | あり(約5台分) |
イートイン | なし |
クレジットカード | 可 |
お取り寄せ | 一部可 |
お取り寄せ方法 | ホームページから |
ホームページ、ブログ等 | |
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