「地元のおいしい素材を使用しているので、なるべく素材その物の味や食感を大切にしています。甘みを足しすぎたり酸味を足しすぎたりすると素材の良さが消えてしまいます」

代表取締役 田中 完児(たなか かんじ)さん(写真は三軒茶屋店です)



夏が近づいてきました。ひんやり冷たいお菓子が欲しくなる季節ですね。今回ご紹介するのは沖縄県にある「和kitchenかんな」のユニークなかき氷です。「かき氷って夏っていうイメージが強いと思うんですが、夏はもちろん冬にだっておいしいかき氷を食べてもらいたいです。かき氷はスイーツです」と話すのは代表取締役の田中 完児さんです。



1年中かき氷を食べることができるお店

もともと和食店と和風カフェを経営されていた田中さんは今から10年ほど前に「日本の夏の風物詩であるかき氷を一年中食べられるお店を開きたい」と思い、「和kitchenかんな」をオープンしました。当時のかき氷は今のようなふわふわな食感のものはあまりなく、ほとんどが定番の昔ながらのじゃりじゃりとしたかき氷でした。田中さんはふわふわなかき氷だったらスイーツとして主役になれると思ったそうです。主役として作るからには素材からこだわりたいと思い、氷は天然氷、シロップは果物から手作り、そして着色料を使用せず甘みも加えすぎずに素材その物の色や甘みを追求しました。「天然氷は栃木県日光市の松月氷室さんにお願いしました。氷は一年間に取れる量が限られているのではじめは断られてしまったんです。でも蔵元を訪問して粘り強くお願いして分けていただくことになりました」と田中さん。そしてこだわりはもう一つありました「駅から遠い住宅街にお店を出そうと決めていました。地元の人が散歩がてら通ってくれるような地域密着型のお店にしたかったんです」こうして1号店は東京都三軒茶屋の住宅街にオープンしました。

その後「和kithenかんな」は素材にこだわったおいしいかき氷が食べられる店として瞬く間に有名になり行列の絶えない人気店になりました。「地元の方も閉店間際や夏以外の比較的空いている日にいらしてくれます。うれしいです」と田中さんは言っていました。



沖縄県の人々にふわふわのかき氷を伝えたい

東京都でふわふわかき氷がブームとなった頃、田中さんは旅行で訪れた沖縄でとても驚きました。沖縄県は暑い場所だしおいしいふわふわかき氷店がたくさんあるだろうと思っていたところ、沖縄県には東京都でブームのかき氷はほとんど見つからなかったのです。沖縄県では昔から食べられている「ぜんざい」と呼ばれる甘く煮た小豆や白玉にじゃりじゃりとした氷を削りかけたものが主流だったそうです。「沖縄県の人々にもふわふわに削った氷に手作りのシロップをかけたかき氷を食べてもらいたい」と思い立ち沖縄県への出店を決めました。



沖縄県は地産素材の宝庫

沖縄県はおいしい地産素材の宝庫です。季節ごとに様々な果物が旬を迎えるのでそれぞれの素材が一番おいしい時期にかき氷を作っているそう。グァバ、ドラゴンフルーツ、シークワーサー他にも色々あります。「なるべく素材そのものの味を大切にしています。甘みを足しすぎたり酸味を足しすぎたりすると素材の良さが消えてしまいます。たとえばアセロラの味、ご存知ですか?みなさんそう聞くとガムやお菓子の甘い味を想像されるんですが、実際はとっても酸っぱいんです。うちではアセロラの酸っぱさを生かしながら他の甘いフルーツと合わせてシロップにしたりしています」と田中さんが教えてくれました。他にもパッションフルーツもとっても酸っぱいので完熟した甘いマンゴーと合わせたり、紅芋は甘くしすぎずに芋本来の優しい甘みを消さないように工夫しているそうです。ますますいただくのが楽しみになります。



紫芋色のとろふわシロップ

さっそくかき氷をご紹介します。まずは沖縄県産の紅芋を使用した「紅芋牛乳」です。ふわっふわに削られた天然氷はその性質上溶けにくく、シロップをかけても水っぽくならないのでふわふわな状態を保ったままテーブルに運ばれてきました。口に入れるとすっと溶けて紅芋の優しい甘みと芋をペーストにした時に感じるとろっとした食感が口いっぱいに広がります。かき氷といえば果物のシロップを想像していましたが、野菜で作ったシロップがこんなにおいしいとは新発見です。食べ進めると真ん中にも器の底にもたっぷりと紅芋シロップと特製牛乳が入っているのもうれしいです。






パッションの種で見た目もかわいい!

次にご紹介いただいたのは沖縄県産パッションフルーツと、同じく沖縄県産マンゴーの「パッションマンゴー」です。パッションフルーツがとっても酸っぱいので甘い完熟マンゴーと合わせてあるこのかき氷、運ばれてきたときに見た目のインパクトに驚きます。パッションの種をそのまま使っているのでシロップに黒い水玉模様がとてもかわいいのです。口に入れるとキューッとなるようなパッションフルーツの酸っぱさの後にマンゴーの濃厚な甘みが広がります。種の食感もパリパリとしたアクセントになっています。食べ進めると特製ヨーグルトが入っておりヨーグルトのさわやかな酸味、そして更にふわふわにホイップしたマスカルポーネチーズが入っています。それぞれが主張の強い食材ですがお互いを引き立て合いおいしくまとまっているところはお見事です。






かき氷にティラミス?かき氷にチーズケーキ?ユニークなメニュー

和kitchenかんなにはユニークなメニューがたくさんあります。レアチーズケーキシークワーサーや紅芋牛乳、そしてティラミスも。「新しいメニューについては常に、本当に常に考えています。月に2品くらい新しいメニューや期間限定メニューを追加しています。ティラミスかき氷はうちの一番人気です。みなさん想像つかないって驚かれますが是非食べていただきたいです。本当においしいんですよ」と田中さん。かき氷はスイーツと考えている田中さんにはかき氷だから生クリームやチーズなどの乳製品と合わないという考えはありません。製菓素材はなんだってかき氷の材料の候補なのです。



田中さん自信のひと品

それでは乳製品をつかったユニークなメニューの中から「ティラミス」をご紹介します。器の底に特製牛乳とコーヒーシロップが注がれ、その上に氷、真ん中とてっぺんには特製牛乳とコーヒー、そしてゆるふわにホイップしたマスカルポーネチーズソース、最後にココアがふりかけてあります。一口食べると予想以上のおいしさに驚きです。まさにティラミス味で優しい甘さのマスカルポーネチーズソースは氷と合わせると冷たいシェイクのような食感です。特製牛乳やコーヒー、ココアとの相性もぴったりです。まさに立派な主役になるスイーツでした。





沖縄県の皆さんに密着したお店

和kitchenかんなは沖縄県のリゾート地「アメリカンビレッジ」に店を構えているため、観光客が非常に多いそうです。「観光にお越しいただいている皆さんにも、地元の人にもどんどんご来店ただきたいです」と話す田中さんは先日地元のイベントに出店したそうで、こんなことを教えてくれました。「地元の方ばかりが参加するイベントがあって、お世話になっている方の紹介で出店させていただきました。お客様はみなさんとても喜んでくださって『スイーツみたいなかき氷があるんだ』って驚かれていました。3日間の開催だったのですが毎日来てくださったお客様もいてうれしかったです」そして「沖縄県でかき氷店をやっていられるのはたくさんの方のご縁に恵まれているからだと思います。地元のイベントでも『がんばっているね』って地元の農家さんを紹介してくださったり、本当に人々が優しいなぁと感じています」と話していました。「これからもたくさんの方にご来店いただき喜んでいただけるようにおいしいかき氷を考えていきます」と田中さん。みなさんも是非味わってみませんか?この新しい発想のかき氷を味わうとお店のメニューすべてを制覇したくなること間違いなしのおすすめ店です。

 

 

(取材・文 まちおやつプロジェクトメンバー)

 

 

店名 和kitchenかんな 沖縄店
住所 沖縄県中頭郡北谷町美浜15-69アメリカンビレッジ カーニバルパーク2F
電話 098-988-5688
営業時間 11:00~19:00 (夏季営業時間延長)
定休日 水曜日
駐車場 近くに町営の無料駐車場有り
イートイン あり 店内席9席 店外席7席
Instagram https://www.instagram.com/okinawakanna/
ホームページ http://kanna-kakigori.jp/shop/okinawa.html

 

Submit to FacebookSubmit to Twitter