「熊本地震の後、お菓子を食べたお客様が喜んでくださいました。日常生活ってこんなにもありがたいんだ、お菓子って心と心をつなぐんだと気づき、勇気づけられました」

オーナーシェフ 柴田 博信(しばた ひろのぶ)さん


今回は熊本県の洋菓子店「アントルメ菓樹」に行ってきました。広くて天井の高いおしゃれな店内にはインテリア用の小物や多くの観葉植物がおかれていて、癒される空間となっています。そしてたくさんの種類のケーキが並んでいて、多くのお客様がうれしそうな笑顔でお菓子を選んでいます。




パティシエになったきっかけはアメリカでの経験

オーナーシェフの柴田 博信(しばた ひろのぶ)さんにお話を伺いました。柴田シェフは和洋菓子を扱う菓子店を営む家で生まれました。お父様は菓子職人だった為、小さな頃からお手伝いをしつつ、お父様の仕事をそばで見ていました。「朝から晩までとても忙しく仕事をしている父を見ていたので、私は父の後を継ごうとは思いませんでした。他に夢があった訳ではなかったんです。大学に行った理由もお菓子屋さんを継ぎたくなかったからだったんですよ。そんな中、初めてできた目標がアメリカ留学でした」。柴田シェフはこの目標を見つけてから必死で勉強しました。そして念願のアメリカ留学を果たしました。このアメリカ留学での経験が洋菓子を作る仕事に就いたきっかけとなるのです。




自分の作ったケーキで人を笑顔にすることの喜びを知る

目標がアメリカに行くことだったので、留学した後は何の夢もなく過ごしていた柴田シェフに転機が訪れました。「文化祭でデコレーションケーキを作ったんです。小さな頃からずっと親の手伝いをしていたので普通に作れるんです。それを食べた人たちがおいしいと喜んで、笑顔で「ブラボー」と絶賛してくれたんです。その時、自分の作ったケーキでこんなにも人に喜んでもらえるんだ、なんて幸せなことなんだろうと思ったんです。それが私がパティシエを目指したきっかけになりました」。柴田シェフは今でもお菓子を作ってお客様に喜んでいただけることに大きな幸せを感じています。




お客様とのコミュニケーション

柴田シェフは頻繁に売り場に出てお客様とのコミュニケーションをとる時間を大切にしています。「アメリカから戻ってきて、修業を積んだ後、実家の店に戻りました。私は自信満々でフランス菓子を作って販売するのですが、なかなか売れなかったんです。なぜか父のケーキばかりが売れるので、売り場に出て直接お客様の声を聴くようにしました。お客様と会話をすることでお客様が食べたいお菓子は私が作っていたお菓子ではなかったと知りました。それからは考え方が変わってきました」。それまではグチが多い人間だったと自分で話す柴田シェフ。自分のお菓子が売れないのはお店の場所が悪いとか、お店の名前が悪いんじゃないか、でもその中に「自分のせい」というのはひとつもなかったそうです。そんなシェフはお客様とコミュニケーションをとることで変わったといいます。「お客さんに合わせないでいてどうするんだ!」そう思うようになったのです。



地元の素材を使う理由

「熊本県のトマトは生産量が日本一だし、栗もとってもおいしい。最近はマンゴーの農家さんも増えてきています。熊本県には誇れる農産物がいっぱいあるんです。これを県外の人にアピールしたいし、もっと食べていただきたい。そういう気持ちで、こだわって地産素材を使っています」と柴田シェフが話してくれました。そのこだわりの素材「トマト」のスイーツを紹介します。カップに入ったきらきら光るまるごと一個の熊本県産トマトがインパクト大の「塩ザラメのとまとジュレ」。とっても甘くてさっぱりとしたトマトの中にはゼリーが詰まっています。こののど越しの良さはひと口食べればもう病みつきです。「今年の夏は暑かったからお肌の回復によいリコピンをたっぷりどうぞ」と柴田シェフは「疲労回復スイーツシリーズ」のひとつとして販売しています。



塩ザラメのとまとジュレ 1個 480円(税込み)



元気回復スイーツ

先ほどの「塩ザラメのとまとジュレ」と同じく「疲労回復スイーツシリーズ」のひとつ、「リストーロ」は「元気回復」できるスイーツです。甘酒仕込みのチーズタルトにさっぱりとヨーグルトクリームを重ねてあります。表面のこんがりと色づいたメレンゲが食欲をそそります。ふわっと香る甘酒はチーズとヨーグルトとの相性がぴったりです。発酵食品を多く使ったスイーツで腸内環境を整えて元気回復出来るなんてうれしい限りですね。



リストーロ 1個 430円(税込み)



熊本県産の栗を贅沢に使っています

小人の帽子のような少し珍しい形がかわいい「里山もんぶらん」は熊本県産の栗を贅沢にたっぷりと使用しています。表面のマロンペーストと中のマロンペーストは味も食感も異なっていて一緒に食べた時に最初に感じるしっかりとした食感とその後に追いかけてくるふわっとした食感が最高のおいしさになるよう計算されています。中にはゴロッとした食感の良い栗がまるごと入っているも贅沢です。



里山もんぶらん 1個 450円(税込み)



人気No.1焼き菓子

「アントルメ菓樹に行ったら絶対これは買わないと!」と言ってくださるお客様も多くいらっしゃるという「ふろらんたん」。熊本県産みかんの花蜜をたっぷりと使ってあるサクサク香ばしい焼き菓子です。箱入りのご用意もあり県外へお出かけの際は、お土産にぴったりです。



ふろらんたん 1本 150円(税込み)




人気No.2焼き菓子 

「ふろらんたん」に続いて人気なのが「チョコガレット」です。濃厚なチョコ生地の中に柔らかなチョコレートが入っています。そのまま食べてもおいしいのですが、ひんやり冷やして食べたり、電子レンジで軽く温めて、中のチョコレートが溶けかけた「とろーり」した食感を楽しんだり、1種類で3度おいしい焼き菓子です。かわいい形も人気の理由です。こちらも箱入りのご用意があるのでお土産にいかがですか?



チョコガレット 1個 180円(税込み)




熊本の災害を乗り越えて

2016年に熊本県に大きな被害をもたらした熊本地震。「震災後、いつ店を再開するか悩みました。こんな大変な時に主食ではないお菓子を作っていていいのか、怒られるんじゃなかろうかと考えました。でも店にケーキを並べるとお客様はとても喜んでくださったんです」と柴田シェフ。お店に入ってきた時は怯えたような表情でお母さんにしがみついていた子供が目をキラキラさせて店内ではしゃいでいたり、そんな姿を見たお母さんが涙する姿も一人や二人ではなかったそうです。そして避難所では誕生日パーティーが出来ないからと、アントルメ菓樹のテラス席でパーティーをしていただいたりすることもあったのだとか。「喜んで、感謝してくださるお客様から、日常生活ってこんなにもありがたいんだ、お菓子って心と心をつなぐんだと気づかせていただきました。お菓子ってお腹を満足させるのではなく、心を満足させるんですね。そして震災で不安を抱えていた私たちもお客様にとても勇気づけていただけました」とシェフ。また震災を経てお菓子の素晴らしさを改めて知ったシェフは「自信をもってこの仕事を続けていこうと思っています」と言っていました。お菓子でお客様に笑顔になってもらいたいと思う柴田シェフが作るお菓子、ひと口食べれば笑顔があふれること間違いなしです。みなさんも熊本県を訪れる際はぜひお立ち寄りください。


(取材・文 まちおやつプロジェクトメンバー)

店名 アントルメ菓樹
住所 熊本県熊本市東区東野1-5-5
電話 096-368-2800
FAX 096-368-2810
営業時間 9:30~19:00
定休日 毎週月曜日 (祝祭日の場合は営業いたします)
駐車場 70台
イートイン テラス席、カウンター席
お取り寄せ お電話にてお問い合わせください。
ホームページ

http://ent-kaju.com/

 
 

Submit to FacebookSubmit to Twitter