「現地で働いて、フランス人の、“食”に対する自然なこだわりに感銘を受けました。目指しているのはパンも惣菜もケーキもある、フランス風パティスリーです」

オーナーシェフの熊谷治久(くまがい はるひさ)さんは、お店のある流山市のご出身のです。ちょうど今お店がある場所は、シェフが通われた小学校の跡地とか。



目指しているのは、“フランスのパティスリー”

千葉県・流山市のLes Temps Plus様へうかがって、お話をうかがってきました。熊谷シェフはLes Temps Plusを開く前に、フランスにある2店のショコラトリーで、1年ほど現地の職人さんと一緒に、一人の職人として働かれたそうです。フランス滞在中に、フランス人の“食”を大切にするといった、ライフスタイルにとても感銘を受けたとか。その一つがランチへのこだわりです。フランスでも日本のお弁当の様にタッパーに入れてランチを持って来ますが、そのままでは食べずに一度きちんとお皿に盛り付けて温めなおしてから食べます。さらに、必ず小さなスィーツなどをデザートとして用意して食事の締めを楽しみます。一食一食をおろそかにしないスタイルが徹底していて、小気味良い驚きだったそうです。また、デザートが、特別な行事の時だけ食卓に上るのではなく、なくてはならない毎日の食事の一部になっているといったことなど、“食”に対する自然なこだわりが日常の端々に見受けられました。さすが、「食の伝統」として2010年にユネスコの無形文化遺産に登録されたフランス料理。その登録理由の“前菜からデザートに至るフルコースのスタイル”が、日常に根付いている様子に、フランスの伝統文化を感じたそうです。

フランスでパティスリーというと、ケーキなどはもちろん、パン、キッシュなどのお惣菜から、アイスクリーム、チョコレートまでと幅広い品揃えとか。3時のお茶受けのケーキを買いに来たお客さまが、ついでに夕食の惣菜と明日の朝食にパンを買って行く。熊谷シェフが目指しているのも、フランスのパティスリーの、そんな日常になくてはならないお店のあり方が理想だそうです。

開店当初は、ケーキや焼き菓子などのスィーツが中心でしたが、今では、焼き立てのフランスパンからアイスクリームまで、幅広い品揃えになりました。お店の中のカウンター席とテラスの席で、出来立てのケーキやアイスクリームを楽しむこともできます。イートインテーブルでは、お店のご厚意で目にも涼やかな冷たいレモン水がサービスされ、「これが楽しみなの」とおっしゃるお客さまも。

宝石のようなケーキが並ぶ、華やかなショーケース。店内写真の奥は、オリジナルのチョコレートやキャラメルです。カウンターの上には、豊富な種類のフランスパンが並びます。

「今では、フランスパンの焼き上がりは何時ですか?という問い合わせの電話をもらったり、高校生が学校の帰りに、気軽におやつとしてケーキを食べに来てくれるようになって。自分の思い描いていたお店に近づいているな、と嬉しく思っています」と熊谷シェフ。テラスが心地よい季節になって、アイスクリームを楽しむお客さまも増えたそうです。






お菓子づくりにサッカーの経験が生きる!?

熊谷シェフは、実は元“サッカー少年”です。小学生のころから高校3年生の夏の大会まで、サッカー一色の生活をされていました。高校サッカーで、強豪校揃いの千葉県。県内の高校が3年連続全国制覇をしたほど、各校サッカー部のレベルは高く、練習もハードだったとか。

夏の大会が終わった後、ぽっかり時間が空いたので、知人の紹介で洋菓子店のアルバイトをすることに。それまでは、お菓子づくりの得意な叔母さまや、お母さまの様子を見て、パティシエに女性のイメージを持っていたそうです。ところが、実際にそのお店で働いてみると、お菓子づくりの現場は、ガッツリした気力と体力が必要な職人の世界でびっくりしたとか。一つのことをこつこつやり続ける“職人仕事”に対する憧れもあった熊谷シェフ。お店のオーナーに可愛がっていただいたこともあり、パティシエを目指すことになりました。

「サッカーとお菓子づくりはある意味共通点が多いです。まず自分で工夫してやってみる。うまくいかなかった時は、どこが違っていたかを考えて、またトライする。地道に努力して成し遂げて行くところに、サッカーの経験が生きました」と話してくださいました。



「当たり前のことをきっちりやる」お菓子づくり

お菓子づくりに使う素材の、アーモンドやヘーゼルナッツなどの豆類。お菓子の味わいを左右する大切な素材です。熊谷シェフは、生の豆を取り寄せて、自店で煎って加工しています。製品作りのより上流から手をかけることによって、思い通りの素材になるといいます。加工済みの素材を買って使うことはお手軽ではあるけれど、スタイルとしては違うかなと。

アーモンド一つにしても、スペイン産の生豆を輸入、加工しています。このアーモンドの採用までには、世界各地から数種類の生豆を取り寄せ、比較検討したのだそうです。使う素材こそが商品の味わいの幹の部分を決めると思っているので、世界中の産地から最適な素材を探してお菓子づくりに使っています。

そんな熊谷シェフの焼き菓子は評判となり、大手日系航空会社のファーストクラスでお茶菓子として提供されているとのこと。お店がオープンして2年目にお話をいただき、その時からご提供しているそうです。



Les Temps Plus熊谷シェフオススメのおやつは

素材にこだわる熊谷シェフに、Les Temps Plusのオススメおやつをご紹介いただきました。「カカウェット」は、ピーナッツの生産高が日本一の千葉県にあっても、“幻の”と言われる貴重な地産高級落花生「半立」(はんだち)を使っています。上に載っているピーナッツにも、ピーナッツの粉をまぶしてコクのある香ばしさを出しています。サンドしたオレンジ風味のキャラメルクリームは、爽やかな味わいです。所々でキャラメリゼしたホールピーナッツの粒が「カリッ」とした驚きの食感を添えて、おいしくて楽しい、そんなケーキになっています。



カカウェット、1個350円(税抜き)



手土産に最適なのは「ティフール・フレ」、生菓子のプティフールの詰め合わせです。上品なピンクの箱を開けた瞬間、「わぁーっ」と歓声が上がること間違いなしのかわいらしさ。みずみずしいバラの花びらが載った「ルビー」はフランボワーズの爽やかな味わいです。ベルギーの古典菓子「ミゼラブル」は豊かなオレンジ風味のバタークリームの風味が奥深く、季節の新鮮なフルーツを使ったタルトや、洋酒の香る「オペラ」まで。手土産として「ティフール・フレ」をいただいた方も、華やかなティータイムになることでしょう。


プティフール・フレ、12個入り、11種類の詰め合わせ。1箱1,800円(税抜き)


次にご紹介いただいたのは、プティフール・ドゥミ・セック、半生のプティフール詰め合わせです。北海道のバターを一度も冷凍せずに届けてもらい、良質なアーモンドをお店で煎って挽いたパートダマンドを使って豊かな風味に焼き上げているそうです。いただいてみますと、アーモンドの香ばしさと、クルミやラムレーズン、シトロンといったそれぞれの種類ごとの個性が際立ち、ついもう一つ、と手が伸びてしまいます。



プティフール・ドゥミ・セック、12個入り、9種類の詰め合わせ。1箱1,600円(税抜き)



日系大手航空会社のファーストクラスで提供されている、話題の焼き菓子6種の詰め合わせがプティフール・セックです。焼き菓子詰め合わせは、おしゃれな缶入り。開けた瞬間に焼き菓子の香ばしい香りがふわっとして、期待が高まります。焼き菓子6種類が、一つ一つ異なるおいしさです。食感がカリッとした「ムラングココ(ココナッツ風味のメレンゲ)」、アーモンドとキャラメルの甘い香りにうっとりする「マルグリット」、サクサクして後にふわっと溶ける優しい甘さの「サンソン(アーモンドサブレ)」までバリエーション豊かです。ティータイムのお供にされますと、それぞれの味を楽しみながら、会話が弾むこと請け合いです。



プティフール・セック、焼き菓子6種の詰め合わせ。1箱2,000円(税抜き)




人生で一番味覚が鋭い! 小学3年生へ食育の取り組み「食育授業」

「味を感じる舌の部分を味蕾(みらい)といいますが、一番敏感で、味を繊細に感じられるのが小学校3年生なのです。熊谷シェフは、「レストランサミット」という、地元(千葉県の松戸市・柏市・流山市・鎌ケ谷市)のレストランや菓子店などの有志が作った団体で食育授業を行っています。「ピーマンが苦くて食べられないのも、実は味覚が鋭すぎるから。大人になると鈍感になるので、苦いものがおいしく感じられるようになるのです」と熊谷シェフ。

食育授業は、味覚が敏感な時期に、好き嫌いなく一度真剣に「味」と向き合う体験をしてほしい、という思いを込めて行っているそうです。人の味覚には、甘い、塩からい、酸っぱい、苦いがあること。その甘い等にも、それぞれ違う甘さや塩からさがあることを体験してもらいます。例えば、砂糖の甘さと蜂蜜の甘さを比べる。小学生に、レモンと酢の酸っぱさを比べて、どう感じるか発表してもらいます。

「この頃の子供達は、あまり真剣に味に向き合った体験がないようで、食育授業で味を比べると、どの子もとてもびっくりしてくれます。“塩からい”にもいろいろな種類があるんだな、と気づくだけで、味や、食べ物に対する興味が広がって行くようです」と熊谷シェフ。食育授業の最後は、子供たちそれぞれが担当したレストランや菓子店のデザートを味わって締めくくるとか。食育を受ける子供も伝える大人も、貴重な体験にみなさんとても楽しまれるそうです。

フランスのパティスリーのようなお店づくりに邁進されている熊谷シェフ。焼き菓子などは、お取り寄せのサイトにも掲載されるほどの人気です。お近くへお越しの際は、ぜひ一度お店をのぞいてみてはいかがでしょうか。イートインでも楽しめます。


(取材・文 大倉愛子)
       

店名 Les Temps Plus(レタンプリュス)
住所 千葉県流山市東初石6-185-1 エルピス 1F
電話 0471-52-3450
FAX 0471-52-3451
最寄駅 つくばエクスプレス流山おおたかの森駅
営業時間 9:30~19:00
定休日 毎週火曜日
駐車場 あり 3台
イートイン あり 店内4席、テラス8席
カード
ホームページ https://elberun.gift/
https://www.facebook.com/elberun/

 

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