世界中から来日してきたシェフたちと共に帝国ホテルでデザート作りをした日々。「美味しい!」と感じる笑顔の連鎖は世界共通。そんな思いが今の仕事の基盤です。

「oeuf(ウフ)」パティシエ 安江晶子さん 自作の絵画と共に。



「ウフ」は、フランス語で「たまご」の意味。「フランスのお母さんが作るようなタルトを作りたい」−−岐阜県の飛騨高山で、旬のフルーツをたっぷり使ったタルトを焼いているパティシエの安江晶子さんにご自身のお菓子作りのストーリーを伺いました。




帝国ホテルで8年間パティシエを経験。5,000個のイチゴのヘタを取るところから始まりました

「幼少期を東京、多感な青春時代を岐阜県で過ごし、20歳で再び上京。30歳から再び岐阜に戻り、現在高山市在住です」という安江さん。現在は、手作りのフルーツタルトをネット上で販売されています。

「1995年から働いた帝国ホテルは国際的な空間で、日本にいながらにして世界各国のシェフと一緒に仕事ができるという貴重な経験をしました。様々な国の食のフェアが開催されるので、そのたびにその国の食文化を学ぶことができました。言葉がわからない時には、イラストを描くことで意思を伝えたこともありました。絵は、言葉を超えて世界とつながることができると気づき、絵を描くことが大好きな自分としては、とても嬉しかったです」

 

様々な国のお菓子の作り方を本場のシェフから直伝で学び、お客様に提供することはとても刺激的な毎日だったそうです。

「1,000人のお客様がいらっしゃるような宴会場のデザートを作ることが多かったので、1日に5,000個分のイチゴのヘタをはずし、キウイを何百個もむく、というようなことが日常でした。ホテルにはいつもドラマがありました。ある時、ポルトガルから来日した身体にタトゥーの入ったコワモテのシェフが、とっても可愛らしいエッグタルトを焼いてくれたりしたこともありました。そういえば、帝国ホテルは上高地にもあるのです。そちらに行った時には、野生の熊に出会ってしまって……熊と並んで走って逃げました。本当に怖かったです(笑)」



箱を開けた途端に歓声!飛騨高山のりんごが薔薇の花びらのように散りばめられた麗しのタルト

一枚一枚、薄くスライスしたりんごが幾重にも連なった、大輪の薔薇の花のようなタルト。滑らかでありつつシャクッとした食感も残る、クセになる美味しさです。飛騨高山のりんごは、指名買いをする人も多い人気のりんご。タルトに使用するときには、どんな点に気を配りながら選ばれているのでしょうか?

「りんごのタルトは美味しくて人気もあるので旬の時期10〜12月は3ヶ月継続して販売しています(通常は毎月フルーツを替えています)。特に10月、11月は火を入れると美味しくなる酸っぱいりんごが採れる時期ですので、そちらを使います。王道な風味のアップルタルトですね。個人的には甘いりんごが好きで、12月は酸味の少ない甘いりんごでタルトを作ります。おだやかで優しい甘さのタルトになります。農園に行って、農家の方と話しながら赤いりんごを仕入れてくると寒い季節がやってくるなあ、と感じます。飛騨は冬が長いので心の準備も必要なのです…1年の半分くらいは冬みたいなものです」

 

購入する季節によって、微妙に風味が変わるりんごのタルト、ぜひ食べ比べて季節を感じてみたいですね。アーモンドパウダーがリッチに入った生地と、まろやかな風味が口の中に広がるりんご。とても家庭では出せない味です。少しだけ、秘密のレシピを伺うと……。

「一枚一枚スライスしたりんごの間にアーモンドクリームを少しずつ入れることでりんごの果汁と一体化したりんごアーモンドクリームが焼き上がるので、皆さんに愛される風味が生まれるのかと思います。アーモンドクリームは、アーモンド、バター、卵、甜菜糖、香りづけのオレンジリキュールで作ります」

こちらのコメントから、口の中でそれぞれの素材の美味しさが相乗しあう幸せが伝わりますでしょうか?


「りんごのタルト 3000円(税込み)」



2種類のタルトを半分ずつ。二つの味が楽しめる、ハーフのシリーズも人気です

安江さんのイチ押しの食材は、りんご。他に、タルトの素材選びで出会ったエピソードはありますか?

「ベビーキウイ(マタタビ科の猿梨と呼ばれる、キウイのミニチュア版のような実。中国や朝鮮半島、日本では山岳地帯で収穫できる)を使おうかしらと思ったこともありましたが、あまりにもワイルドな味わいというか、濃厚でえぐみもあったのでやめました(笑)。やはりりんごのタルトは人気ですが、季節ごとにタルトのメニューを替えていますのでホームページをご覧頂けましたら嬉しいです」

 

今回は、バナナ&ナッツ、りんご&洋梨など、季節のフルーツを組み合わせて楽しめるハーフタルトシリーズ(ハーフ&ハーフタルト)の中から、バナナとマロンをチョイス。こっくりとコクのある組み合わせです。

「バナナは素材として扱いやすく美しく並べることができるので、作っていてテンションが上がります。栗は、茹でて硬い鬼皮を剥くのがまず大変ですが、渋皮煮にするので渋皮に傷をつけずに綺麗に残して剥くのもなかなか手間がかかり難しい作業ですが、人気のタルトなのでやり甲斐があります。アーモンドが大好きなので焼き菓子のフィナンシェ屋さんから開業しました。香りも良いし、しっとりリッチなコクのある焼菓子にするのにアーモンドは欠かせません」とのこと。

 

大きな栗がごろごろっと入っているタルトを頂くと幸せな気持ちになりますが、安江さんが一つ一つ手作業で下ごしらえをされているかと思うと、より一層美味しさが増してきました。アーモンドがたっぷり入った生地も食べ応え充分で、大満足です。


ハーフ バナナ&マロン 3000円(税込み)

 

「oeuf(ウフ)」のタルトはネットでお取り寄せをすると、冷凍状態で送られてきます。美味しく解凍する方法を教えて頂きました。



*解凍&カットのワンポイントアドバイス*

①箱のまま冷蔵庫に置いていただくと6〜8時間くらいで食べごろになります。

②美しくカットするコツは、凍っている状態で上部のフルーツの部分だけをよく研いだナイフで等分に切り目を入れてから冷蔵庫で解凍し、続きの下のタルト生地部分を切るようにします。

③全て解凍してから切ると、上下(フルーツとタルト生地)の硬さの違いからうまく切れずに潰れてしまうことがあります。少し温めたナイフで切ると綺麗に切り分けることができます。

④1カットごとにナイフを拭くとより綺麗にカットできます。

※③、④は長いナイフの刃が完全に浸る細長い容器に熱湯を溜めてナイフを浸し、1カット毎にふきんで拭きながら切っていくとベストです。



*美味しく食べるワンポイントアドバイス*

●一度解凍したタルトの再冷凍は避けてください。ご家庭用の冷凍庫ではタルトがゆっくりと凍っていくため、フルーツの水分がでてしまい、解凍した際べちゃっとしてしまいます。

●タルトをオーブンやオーブントースターであたためますと、より美味しく食べられます。電子レンジであたためますとムラができてしまいますのでご注意ください。

 



飛騨高山の宝物のようなフルーツがぎっしりと詰まった「ウフ」のタルト。是非、皆さんもご賞味くださいませ。

 

 

(取材・文 神尾由紀)
 

店名 ウフ(oeuf)
製造所(販売はしていません) 岐阜県高山市上岡本町2-196
電話 090-7022-0835
FAX 0577-62-9320
定休日 不定休
クレジットカード
お取り寄せ
ホームページ http://www.oeuftarte.com
お取り寄せ https://oeuf.theshop.jp

 

 

 

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